回収にかかる費用計算の違い

弁護士とサービサーを比べると、債権回収にかかる費用計算の方法も異なります。順に見ていきましょう。まずサービサーの場合、そもそもサービサーがまず債権者から債権を「買い取り」ます。つまりこの時点で債権者は、債権に近い額の代金を受け取る事になります。注意しなければならないのは、「サービサーの買い取り額は必ず債権を下回る」という事です。そうでなければ、サービサーは利益を出す事ができませんからね。サービサーによる債権の買い取り額は、債権回収の実行可能性なども考慮して決定されます。そのため回収が困難な債権の場合、買い取り額が債権を大幅に下回る事もあり得ます。

一方、弁護士は債権回収によって「成功報酬」を得て利益を出しています。弁護士は債権者が回収したい債権について、債権者に代わって債務者と交渉する事になります。場合によっては訴訟などの法的手続きに移行し、確実に債権を回収するのです。

回収にかかる費用については、まず債権者からの依頼時に成功報酬の割合が設定されます。回収金額に対する成功報酬の割合を予め決めておく事で、債権者は債権回収にかかる費用を事前に見積もる事ができるのです。以上のように、第三者に債権回収を依頼する場合には必ず「費用」が発生し、その分だけ手元に返ってくるお金は減ります。しかし債権回収ができなければ大損ですから、困った時には第三者の手を借りましょう。

弁護士法がサービサーに与える影響

そもそもサービサーは、弁護士法の特例として存在が認められた株式会社です。債権回収にはどうしても法的な事務処理が関わるため、例外を認めないと弁護士法違反になってしまうのです。サービサーは特定金融債権の管理や回収を主な業務としています。サービサーが回収できる債権は「特定金銭債権」と呼ばれ、その多くが金融機関や貸金業者が関わる債権になっています。

もし一般人が他人から債権を譲り受け、訴訟などによってその権利を行使する事を業務にした場合、弁護士法に違反する事になります。以前は弁護士以外の者がそういった債権回収業務を行う事は不可能だったのですが、バブル経済崩壊後の相次ぐ経営破綻によって状況が変わったのです。

不良債権の回収および処理を弁護士のみに任せるのではなく、認められた専門業者の手を借りて進める事が急務と判断されたのです。1998年にサービサー法が制定され、本来であれば弁護士のみに認められていた業務の一部が、法務大臣の許可を受けたサービサーに認められるようになったのです。

以上のようにサービサーは極めて特殊な経緯によって誕生した業務形態であるため、その業務には複雑な制限がかけられています。違法なサービサーに依頼すると依頼者も共犯とみなされる恐れがあります。サービサーに業務を依頼するというのは、かなり特殊なケースだと覚えておきましょう。

売掛金の回収の違い

債権回収の一つの例として、売掛金の回収があります。売掛金は基本毎月ごとに支払われるべき代金ですが、相手先の状況によっては未払いもしばしば起こり得ます。当事者同士の交渉で売掛金が回収できれば一番良いのですが、債務者が「どうしても支払えない」と主張する困った事例も起こり得ます。そんな時には、法的手続きをとるか、弁護士に相談しましょう。

「売掛金の回収」という債権回収を、サービサーに依頼するのは不可能です。サービサーが回収できる債権は「特定金銭債権」と言い、その多くは金融機関や貸金業者が関わる債権だからです。回収できる債権に限りがあるサービサーとは違い、弁護士はどんな債権でも回収を処理する事が可能です。売掛金の回収を弁護士に依頼する場合には、多くのメリットがあります。

まず、売掛金の回収が効率的かつスピーディーに完了します。弁護士が債権回収処理をしている間、債権者は債権回収に関わらなくて済むからです。また、弁護士は債権回収について知識とノウハウが豊富ですから、「どうすれば速やかに債権回収が可能になるか」考えてくれるのです。また、債権者の精神的負担が軽くなります。第三者の手を借りる事で、債務者から債権回収する際の精神的負担を軽くする事ができるのです。

弁護士vsサービサー

債権回収を自力で完了させようとすると、非常に多くの手間と時間が掛かります。そもそも「債権」とは、「債権者が債務者に対して一定の、当然行うべき行為を求める権利」を指します。つまり債務者が債務を支払うのは「当然」の事であって、債権者が債権回収で疲れるなんておかしな話です。

しかし現実はそうも言っていられません。債権者と債務者による当事者同士の話し合いはしばしば、決裂します。債権者は「債権を支払え」、債務者は「債務は支払えない」しか、最終的に言う事が無くなりますからね。

債権回収を第三者にお願いする場合、その第三者には「弁護士」か「サービサー(債権回収会社)」が該当します。弁護士は刑事・民事問わずの問題解決の専門家、一方のサービサーは債権回収専門のプロです。どちらにお願いした方が良いのでしょう。

実はサービサーが「債権回収専門のプロ」とは言っても、サービサーが回収できる債権には定められた範囲があります。サービサーに回収が認められている債権のことは「特定金銭債権」と呼ばれ、ほとんどの場合、金融機関や貸金業者が関わる債権です。

つまり例えば「債権者が未払いの売掛金の支払いを債務者に求める」債権回収の場合、債権者が一般企業であれば「売掛金」が「特定金銭債権」に該当しないため、サービサーはその債権回収を実施する事ができません。そういった場合の債権回収は、弁護士に相談しましょう。その他にもサービサーは、弁護士法に抵触するような業務を行う事ができません。実はサービサーのできる仕事というのは、範囲がかなり限定されているのです。